自ら命を絶った不幸な若き女性ベラは、天才外科医ゴッドウィンの手によって、奇跡的に蘇生する。ゴッドウィンの庇護のもと日に日に回復するベラだったが、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望に駆られ、放蕩者の弁護士ダンカンの誘惑で、ヨーロッパ横断の旅に出る。急速に、貪欲に世界を吸収していくベラは、やがて時代の偏見から解き放たれ、自分の力で真の自由と平等とを見つけていく。そんな中、ある報せを受け取ったベラは帰郷を決意するのだが──。
※順不同・敬称略
さまざまな味付けの人間を
1人として拒むことなく受け入れ、成長するベラ。
痛快なデザートで締めくくられる、
まさに極上のフルコースのようだった。
目がさめたら慌ててスケッチブックに描く。
そんな時と同じ気持ちになりました。
予想もつかない場所まで辿り着いてくれる、
全く新しいプリンセス映画体験でした。
2024年、まずはこれを観るのがよいでしょう!
絶え間ない衝撃に圧倒されっぱなしで、
脳みそぐちゃぐちゃにかき混ぜられた感覚。
ゆっくり消化したい。
自由と自立からかけ離れ絶望してしまうのか。
ベラが生き直す人生は全ての欲求がひらかれていて、
感情の色彩が溢れ羨ましいほど奔放だ。
エマ・ストーン演じる主人公ベラの性の視点を通し、
人が未だ成しえる事ができない地球上の業の
集約の連鎖を見せつけられるロードムービー。
大胆で解放感に満ちたセックス観念に翻弄される
男性を横目に、貪欲な学習で成長を続けるベラ。
彼女の大きな瞳がもう一つの私の目となる。
それぞれが、それぞれにしかない生きる活動をしている。
ベラのように旅をするように人生を続けよう。
そして、違う人間が違うまま力を合わせる事ができたなら
きっといい気分になるだろう。
嘲笑っているのは誰かを考えさせられる、
毒のある一作。
己は自由を謳歌しながら女性が好きに生きる事を許さない。
そんな男らしさに中指を立てる勇敢な冒険譚。
不羈奔放に自己を発見する女性のなんと魅力的なことか!
エマストーンの軽やかさといったら!
学ぶこと、変わること、生きていくことそのものを
力強く肯定されたようで、
あまりの爽快感に笑いが溢れてしかたなかった。
本当にどえらいものを、見てしまった…!
彼女はより危ないほうを選択し、進んでいく。
何にも恐れていないから。
冒険の果てに彼女が創った世界にはちょっと、
胸をうたれてしまいました。
自身の脚の間、耳の間にあるものを探求し、
真に取り戻していく姿をいつまでも眺めていたかった。
奇妙でグロテスクな、だけどなんて美しい
エンパワーメント作品だろう、と心が喜ぶ。
ヒポクラテスの医学への誓い!!を感じ、
演じるエマ・ストーンと共に
知性がなんで必要なのか、が育ってくる。
※順不同・敬称略