かつて兄弟同然に育ち、近年は疎遠となっていた従兄弟同士、デヴィッドとベンジーが数年ぶりに再会した。亡くなった最愛の祖母を偲んで、彼女の故郷ポーランドを旅するためだ。参加した史跡ツアーでの新たなる出会い。旅の先々で揺れ動く感情。正反対の性格ながら互いに求める“境地”は重なり合う、そんな2人がこの旅で得たものとは?
監督、脚本、製作、出演を兼ね、主人公デヴィッドに血を通わせたのは『ソーシャル・ネットワーク』で俳優としてブレイク、さらに満を持しての監督デビュー作『僕らの世界が交わるまで』がワールドワイドに高評価を受けたジェシー・アイゼンバーグ。今回、自らの家族のルーツを題材にして長編監督2作目に挑み、繊細でエモーションナル、かつ確かな演出力に一層磨きがかかった。
そして、W主演で従兄弟のベンジーに扮したのは「メディア王〜華麗なる一族」でゴールデン・グローブ賞とエミー賞どちらも手中に収め、本作でも神がかり的な演技を見せるキーラン・カルキン。
加えてウィル・シャープ、ジェニファー・グレイら新旧注目の共演陣が極上のアンサンブルを披露、前作に引き続きエマ・ストーンがプロデューサーとして名を連ねているのも話題である。
時に軽やかに、時には荘厳に、全編を彩るのはポーランド出身のピアノの詩人、ショパンの名曲の数々。美しい景観が内包する影の歴史、人の笑顔の裏側にある“リアル・ペイン(本当の痛み)”とは……。これはジェシー・アイゼンバーグがどうしても撮らなければならなかった映画。この心のロードムービーはあなたの中できっといつまでも、リフレインを続けるはず!
かつて兄弟同然に育ち、近年は疎遠となっていた従兄弟同士、デヴィッドとベンジーが数年ぶりに再会した。亡くなった最愛の祖母を偲んで、彼女の故郷ポーランドを旅するためだ。参加した史跡ツアーでの新たなる出会い。旅の先々で揺れ動く感情。正反対の性格ながら互いに求める“境地”は重なり合う、そんな2人がこの旅で得たものとは?
海上に浮かぶ氷山の一角を見せて、海中に広がる裾野を感じさせる。
確かな手腕を感じました。
真っ白なんです。 人間は鼠色じゃないと生きていけない 。
僕はお家に帰らんと色んな所でよく座ってます。
旅を終えて空港で佇むベンジーも、さびしかったんじゃないでしょうか?
他人の痛みに寄り添うことは難しい。
難しいけど、例えば映画を見て
感想を語り合ったり、そんなことから始められたらいい。
一緒に旅をしている気分になる。
正直に生きようとする彼等に共感し、
時に笑い勇気をもらい、
この映画が語る多くのことに気付かされハッとする。
心地良さに寄り添い、そして余韻を残してくれる。
※順不同・敬称略